日本の児童福祉制度の中の社会的養護体系は2つに分かれています。1つ目はこの前書いた施設養護です。もう1つは家庭的養護でそれは主に2つ、養子縁組と里親、に分かれています。養子縁組はまた後ほどの話題として、今日は里親制度に関して書きたいと思います。
最初に「里親」とは何でしょうか?
里親制度によると里親は「保護者のない児童、又は保護者に監護されることが不適当であると認められる児童を養育する里親として認定を受けたもの。」すなわち、里親は他人の子供を自分の家で預かって育てることです。里親は預かった子供は実の子供でなくてもりっぱに育てようとする立派な人たちです。子供が心にどんな傷があっても、それを受け入れ、できるだけ普通な生活を与え、その傷をいやす立場に立つのです。
里親の役割
里親制度によると、役割は3つあります。
(1)「子供との間に基本的信頼関係を形成する」
(2)「親や家族のモデルを学ぶこと」
(3)「生活の質の深さを与える」
上記で里親に預けられる子達はこの経験できないからではないでしょうか?施設でもこの役割をある程度はたせると思いますが、子供が必要な程度までは与えられません。だから里親は社会が与えられない経験を子供達に与える。3つとも大切だと思いますが、特に2番は施設では学べないと思います。子供は親と家族との生活で自分が親になった時のモデルを学びます。親は子供自身の将来の姿に大きい影響を与えます。しかし親となる為のモデルがなかったり、大人との信頼を育てる機会がない子達は社会や他人と信頼関係持つことができるのでしょうか?
里親は実の親や家族との関係が薄い子供達に親や家族と言うもののモデルを与え、将来を明るくする大切な担います。ここで里親の現状を見たいと思います。
厚生労働省「福祉行政報告例」(平成20年3月31日現在)によると全国で登録されている里親数は7、934。その中で実際子供が受託されている里親数は2582、約31.9%。受託されている児童数は3633です。
この数字を見みて疑問に思うのは、はどうして里親の受託率がそんなに低いのかということ。児童養護施設にいる児童が3万人いるのにどうして2/3の登録されている里親は受託されていないのか?里親は子供達に大切なことを与えられるのに、または受け入れたい気持ちを持つ大人もいるのどうして受託率がこんなに低いのか?
厚生労働省の平成19年末の「福祉行政報告例」の里子の年齢別はこうなります。
総 数:3633人
0歳 :54人
1〜6歳 :1252人
7〜12歳 :1214人
13〜15歳 :599人
16歳以上:514人
これを見ると明らかに里親は小さい子を受託していることが分かります。それはとてもいいことだと思いますが、中高生を預かる里親は少ない。養子縁組でもそうですが、「子供だったら育てやすい」「中高生はもっと問題や傷を抱えているからできない」と思っている人も多い。でも、この年齢の高い子達も社会に出るまでの後少しの間に誰かから愛され、認められ、里親になってくれる人を求めていると思います。
でも、問題はそれだけではありません. 里親は素晴らしいことをしてるのに、社会や周りの人はそれを冷たく見て、差別することも多い。日本に来てから3年間経ちますが、その間に何度も新聞で里親の記事を読みました。記事は里親の苦労、周りの人たちと学校からの冷たい扱いに関して書かれていました。
これは変わらないといけません。社会は変わらないけれど、これを読んでる皆さんは変われると思います。里親や里子を知ってたら励ましてあげてください。相談を受けてあげたりして支援してください。自分が里親になりたいと思う人は近くの児童相談所に行って相談してください。子供達の為にも日本の将来の為にも自分から変わり、里親や里子、養護施設に住んでいる子供、を受け入れ暖かく見守ってあげましょう!
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